カスタマーサクセスは数名同時で打ち合わせをすることも多く、面倒な日程調整は日常茶飯事です。1件あたりの日程調整にかかる時間は微々たるものでも、調整が度重なればたちまち通常業務を圧迫します。カスタマーサクセスが抱える日程調整の課題と解決方法をご紹介します。
カスタマーサクセスは顧客のニーズを先読みし、能動的にフォローをして満足度を向上させる役割を担っています。
そのため顧客との打ち合わせの時間を設けたりすることも多く、顧客との日程調整は日常茶飯事です。
ただ「日程調整」とひとことで言っても1件の調整にかかる時間は相当なもので、担当者によっては日程調整に割く時間が通常業務の妨げになっているケースも見受けられます。
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カスタマーサクセスで日程調整が必要になるシーンとは
カスタマーサクセスには、既存ユーザーの利用継続をはかりLTV(ライフタイムバリュー)を最大化することや、アップセルをして売上を最大化することが求められます。
そのため顧客都合よりも自社都合で面談することも多く、日程調整に苦慮するケースが多々発生します。
オンボーディングを目的とした面談日程の調整
LTVを最大化するためには「オンボーディング」、つまり提供済サービスの利用価値を高め、顧客体験価値の向上(カスタマーエクスペリエンス)を図ることが大切です。
顧客が知らないサービスの使い方や提供した商品による収益効果など、きめ細やかな説明が必要なケースもあり、どうしても面談日程を決めるための調整業務が発生します。
アップセルやクロスセル提案のための日程調整
既存顧客にアップセルをする場合は、打ち合わせの席に他部署のスタッフも同席してもらうことも多く、同時に3~4名の日程を調整するケースも出てきます。
1対1の調整でも相当な時間がかかりますが、同時に複数名の予定を調整するとなるとかなり面倒な調整が必要になってきます。
なぜカスタマーサクセス職の日程調整は面倒なのか
日程調整をやったことのある人なら経験があると思いますが、どのようなビジネスの現場でも日程調整は非常に手間がかかります。
フィールドセールスの場面でも手間がかかる日程調整ですが、カスタマーサクセスのほうが調整の手間が増えるケースがほとんどです。
面談にメリットがあると感じてもらえないケースがある
カスタマーサクセス職での日程調整が面倒な理由のもっとも大きな点は「面談のほとんどが販売側からの提案である」という点です。
顧客からサポートを希望して面談をするケースとは異なり、なかには望んでもいない顧客に自社サービスの説明をする必要も出てきます。
自社都合の面談の場合、顧客によってはスムーズな日程調整に強力してもらえないケースもあるでしょう。
顔が見えない分、断られやすい
訪問するたびに顔を合わせているフィールドセールスの場合は、「断りにくい」という心情が働きます。
一方、カスタマーサクセスの場合は普段電話やメールなどでコミュニケーションをとるため、直接顔を合わせることが少なく「都合が悪くなると簡単に断りやすい」ということが度々起こります。
一度キャンセルされたアポイントメントは再日程が難しく、さらに調整に時間を要します。
日程調整の効率化が求められる3つの理由とは
日程調整には非常に手間がかかるため、売上目標のあるカスタマーサクセス職の場合はとくに日程調整の効率化が求められます。
また日程調整の効率化が求められるのは、単に「面倒だから」という理由だけではありません。
1.働き方改革による残業削減
2018年の6月に成立した働き方改革関連法により、どんな職場でも労働時間の短縮が叫ばれています。
1件あたりの日程調整にかかる時間は微々たるものですが、それが数件重なってくると膨大な時間を無駄にしてしまいます。
1分でも早く業務を終える必要があるのに、日程調整に時間をかけている暇はありません。
2.生産性の高いカスタマーサクセス職が評価される時代
「カスタマーサクセスに求められるもの」、それはプロセスではなく「結果」です。
結果を出すためにダラダラと時間をかけている人は評価されず、経営者は時間あたりの生産性を見ています。
カスタマーサクセス職が成約までに3日かかるケースと1日で成約するケースを比較した場合、経営者は当然後者のほうを評価します。
「デキるカスタマーサクセス」と言われるためには、日程調整に時間をかけず顧客との接点を密にして成約率をアップさせることにとことんこだわるべきなのです。
3.販売商品の多様化と変化のスピードが早い
どんな業種でも提案するサービスや商品は日々変化しており、時代とともに変化のスピードはますます早くなっています。
特にWEB業界においては変化のスピードが早いため、「日程調整がうまくいかず1ヶ月間顧客と会えない」となると、次回面談時にはサービス内容は変わっているかもしれません。
売るべきベストなタイミングで顧客に提案するためには、とにかく日程調整を素早くこなすスキルが求めらます。
日程調整に必要な時間は年間200時間以上
「たかが日程調整」と思うかもしれませんが、日程調整に必要な時間は意外と膨大です。
たとえば以下は3名同席での面談日程を組むときに、必要となる工数と時間をあらわしたものです。
step①…3名分の予定をメールや口頭で確認し候補日程を決める【5分前後】
step②…候補日の案内とメールや電話で希望日時のヒアリング【10分前後】
step③…希望日に沿うように3名の予定を再度調整【10分前後】
step④…確定した日程の連絡(メールや電話)【3分前後】
以上の4つの工数をこなすだけでも、約30分の時間を要することがわかります。
1件でもこれだけの時間がかかるのですから、調整すべき案件が2~3件と増えて毎日調整に振り回されると、日程調整のために年間200時間以上をロスすることも少なくありません。
日程調整を効率化するための解決方法
日程調整をスムーズにこなすためにはいくつかの方法がありますが、短時間で調整を済ますにはWEBツールを使うことをおすすめします。
たとえば「TimeRex」というツールを使えば、Googleカレンダーと連携しているため、自分の予定をオープンにして空き時間のなかから先方に希望日時を決めてもらうことも可能です。
さらにリマインドメールなども自動で送信してくれますので、アポイントメントの直前に急にキャンセルされる確率も少なくなります。
ちなみにメールで日程調整をおこなう場合のおすすめの例文などについては「【できるカスタマーサクセスへの第一歩!】日程調整メール3つのポイントとシーン別例文」でも詳しくご紹介しています。
日程調整の効率化で浮いた時間を顧客接点のために使う
カスタマーサクセスは「顧客提案」「自社商品の勉強」「日程調整などの雑務」とさまざまな業務をこなす必要があります。
求められる成果を最大化するためには、少しでも雑務を減らし顧客との面談に集中することが求められます。
日程調整に時間をかけているようでは社内での評価も低くなり、顧客からの信頼も失います。
日程調整に使えるツールは積極的に利用して業務効率化に専念しましょう。