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素朴な疑問。ロケットを打ち上げる速度はどれくらい?

「手作りのロケットを宇宙に飛ばしてみたい。」人類が初めて宇宙へ出て50年以上が経ちました。今では、宇宙までは飛ばせませんが、夏休みの自由研究であったり、理科の実験であったり、水ロケット等を作ったことがある方も多いのではないでしょうか。では、いったいどれくらいの速さがあればロケットは宇宙へ飛び出す事ができるのでしょうか。

「ロケットはどれくらいの速度で打ち上げらるのか?」という疑問への答えは、その用途によって必要な速度も違ってきます。ロケットの用途によって必要な速度は、以下の3つに分ける事ができます。

  1. ロケットが地球の周回軌道にのる速度(地球の衛星として利用するには)
  2. ロケットが地球を脱出する速度(太陽系の地球以外の星へ移動するには)
  3. ロケットが太陽の重力を振り切る速度(太陽系外へ脱出するには)

1よりも2、2よりも3のほうが必要な速度が上がります。それでは、その用途ごとの速度の違いを見てみましょう。

 

ロケットが地球の周回軌道にのる速度

ロケットを人工衛星のように地球の周回軌道にのせるには、秒速7.9km以上が必要となります。これは時速にすると28,440 km/hにもなり、マッハ20(24,696 km/h)以上の速度ということになります。 この秒速7.9kmという速度は、第一宇宙速度と呼ばれるもので、遠心力と重力がつりあうためロケットが地球へ落下してこない速度です。

 

ロケットが地球を脱出する速度

地球の引力や重力を振り切り、ロケットを宇宙にまで上げるためには、秒速11.2km以上が必要となります。この速度を時速にするなら40,320 km/hとなり、マッハ30(37,044 km/h)すらゆうに越える速度となるのです。 そして、この地球脱出速度のことを第二宇宙速度といい、ロケットを月まで運んだり、深宇宙探査機などのように太陽を回る人工衛星にするためにはこの速度が必要です。

 

ロケットが太陽の重力を振り切る速度

上記までの速度は、実際に人工衛星や月までいったアポロなどといったロケットの推進力で達成しているのですが、さらに第三宇宙速度と呼ばれる太陽系外へ飛び立つための速度というものもあります。秒速約16.7kmといった速度となり、時速にするならおよそ60,100kmとなります。

ロケット推進力でこの速度を得られないわけではないのですが、実際に太陽の重力を振り切って旅立ったボイジャーなどは、ロケット推進力ではなくスイングバイという方法を用いています。

 

ロケットの打ち上げ場所と必要エネルギー

ロケットを打ち上げるには想像するのも難しいほどのとてつもない速度を必要とします。なるべく効率的にロケットを宇宙へ飛ばすためには、ロケットの発射場所は赤道により近く、東向きに発射をすることが必要となります。これは、地球の自転を有効活用することで、地球の自転速度をロケットの速度にプラスすることができるからです。

実際にロケットの打ち上げは、なるべく赤道に近く、都会を避けた平坦な土地で、東向きに打ち上げられる事が多いようです。

 

最後に

ロケットの打ち上げにはとてつもないエネルギーが必要となります。まだまだ手作りのロケットを自由に宇宙へ飛ばすのは難しいようですが、過去にはロサンゼルスの学校に通う13歳の女の子が、自作ロケットを宇宙まで飛ばす事に成功したという事例もありました。とはいっても、これはロケットといってもヘリウムガスを詰めた風船を利用して、成層圏まで「風船をつけたロケットを飛ばした」というものですが、そこから見える宇宙の景色はとても美しいものでした。

星空の先に何があるのだろうかと、宇宙は人類の知的好奇心を捉えて離しません。数々のロケットの実験が、人類の宇宙旅行の道へつながっていると思うと、ロケットの発射ひとつにも浪漫を感じてしまうものですね。

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