テニス用語の「ラッキールーザー」、略してll、この言葉ご存知でしょうか?ご存知の方もそうでない方も、llを巡るミラクルなゲームをお届け!llに注目したら、試合観戦がますます楽しくなっちゃう!?
今回は、テニス用語であるラッキールーザーについてご紹介していきたいと思います。
「ラッキーなルーザー!?」llって何?
まずは、ラッキールーザーとは何でしょうか。ラッキールーザー(以下、ll)とは怪我などで本戦に出られなくなってしまった選手の代わりに、予選敗退した選手の中から代わりに出場する選手を決定、補充するシステムのことです。決定の仕方は抽選で、決まるのはかなりぎりぎりになってから。
予選敗退してもllの座を狙って待機するだけ余力と時間がかかるため、予選敗退後そのまま会場に残るかどうかも選手にとっては決断のときなのです。敗者復活戦に少し似てますね。
話題になったあのゲームもllだった!
2015年全豪オープンで、ヤノビッチ選手が1回戦で戦った相手は日本の守屋宏紀選手でした。実はこの試合、守屋選手ではなく、もともとはアルゼンチンのデルポトロ選手がヤノビッチ選手と対戦する予定でした。しかしデルポトロ選手が左手首の不調で出場を断念。
llとして白羽の矢が立ったのが守屋選手だったのでした。惜しくも試合は負けてしまいましたが、試合時間は3時間近くにも及びました。代わりに出る選手はとても緊張もしますが、自分にとってチャンスだということが分かります。
錦織のあのゲームもllだった!
2014年ウィンブルドンテニス大会での錦織圭選手の試合を覚えている方もいるのではないでしょうか。大雨で試合が中断、さらに日没で結局週明けまで延期された、あの試合です。そのときの対戦相手、イタリアのボレッリ選手は、実はllとして出場していました。
llの選手は文字通り「ラッキー」なこのチャンスを活かそうと、すさまじい勢いで戦いを挑んできました。錦織選手にとっても苦戦を強いられた試合だったようです。代わりに出ている選手は、本当に出る選手の勝利を背負って出ているわけなので、誰よりも試合にかけている思いが強いでしょう。
llがあるから試合が面白くなる!
llというシステムがあるからこそ、普通だったら対戦しそうにない選手同士の試合が実現します。しかもllとして出場する選手には、だれも予想していなかった強さがあったりするので、見ごたえのある試合になるのです。