一口にテニスのコートといっても、実は様々な種類があり、それによって違った特徴があるということをご存知でしょうか?今回はテニス観戦するときに知っていると少し理解が深まる、テニスコートについてのまとめです。
テニスコートの規格について
テニスコートは世界的に規格が定められており、タテの長さは23.77m、ヨコの長さは8.23mでダブルスは10.97mと定められています。コートの外側の線がダブルス用のコートとなります。しかし、先ほども言ったとおり、規格は同じであっても使用される材質によってコートの質がガラッと変わってくるのがテニスコートです。一体どんな種類のコートがあるのでしょうか。
コートの種類1 ハードコート
セメントやアスファルトの上に化学樹脂がコーティングされたコートのことを「ハードコート」といいます。ハードコートの特性としては、文字通り硬い表面なので、弾むボールの速度が早くなります。そのため、ストロークよりもボレー向きのコートといえるでしょう。また、バウンド後に大きく変化する特性を活かしたトリッキーなプレーが栄えるコートでもあります。他の種類のコートに比べて維持に手間や時間がかからないので、世界中で最も普及しているコートとなっています。テニスの4大大会では、全豪オープンと全米オープンで使用されています。
コートの種類2 グラスコート
天然芝でつくられたコートのことを「グラスコート」といいます。コートの中では最も球速が早く、バウンドも低く不規則になりがちなので、サーブやボレーが得意な選手にとっては非常に相性の良いコートであるといわれてきていましたが、近年のラケットや技術の向上によりそれほど相性はなくなってきているようです。芝の維持にコストや手間が非常にかかるため、グラスコートを採用しているところはそれほどありませんが、歴史がもっとも古いテニス大会であるウィンブルドンのコートでは、このグラスコートが採用されています。
コートの種類3 クレーコート
土でできたコートのことを「クレーコート」といいます。球速が遅いため、ラリーが続きやすく、疲労感がそれほどでにくいという特徴があります。ただ、一口にクレーコートといっても、土の構成によって細かい差が生まれます。また、土なので天候にコンディションが左右されやすいため、メンテナンスに手間がかかりやすく、雨天の直後は使えなくなることも多くあります。4大大会では全仏オープンに使われているテニスコートです。
コートの種類4 砂入り人工芝コート
文字通り砂入りの人工芝のコートを言い、乾きが速く、雨後も短時間でプレーが再開できるため、雨の多い日本で広く普及しており、公式戦でよく使われるコートでもあります。これまで紹介したコートの特徴をバランスよくもっており、維持がとても楽であるというメリットがあります。
コートの種類5 カーペットコート
屋内のコートで主に使われているじゅうたんのような素材を敷き詰めてあるコートの事を言います。球速は早めで、維持管理が他のコートに比べて圧倒的に楽であることから、しばしばテニススクールや練習場などで使われています。
得意コートがある選手も
例えばトッププレイヤーでラファエル・ナダル選手は「赤土の王者」という異名があるほどクレーコートに強く、クレーコートで81連勝という凄まじい記録を所持しています。ほかにも、世界トッププレイヤーであるノバク・ジョコビッチ選手はハードコートが強く、テニス界の生ける伝説であるロジャー・フェデラー選手はグラスコートでの勝率が非常に高いことで知られています。ちなみに日本ではおなじみの錦織圭選手はクレーコートを得意としているようです。
グラスコートは憧れの場
グラスコートは、日本では1箇所しかないほど稀少なコートで、世界大会においても7大会のみにしか採用されていません。また、ウィンブルドンの舞台にもなっていることから、多くのテニスプレイヤーにとっては一度はプレイしてみたい憧れのコートといえるでしょう。
それぞれの特徴があるテニスコート
いかがでしたか?このように素材によって様々な特徴を備えているのがテニスコートです。自分でプレイしない方であっても、試合を観戦する際にこれらの特徴を頭に入れた上でみてみると、一層楽しいテニス観戦ができるかもしれませんね。