ノーチャージはノーチャージ・セミ・サークル・エリアの略語を指します。FIBA2009ル―ルから新設されました。ゴール下の判定が難しい場合に用いられるノーチャージについて、ご説明いたします。
●チャージングとブロッキング
攻撃側のプレーヤーが防御側のプレーヤーに体当たりしたり、手で押したりする行為をチャージングと呼びます。逆に防御側のプレーヤーが体を使って、攻撃側プレーヤーの進行を妨害する行為をブロッキングといいます。攻撃側のチャージングか、防御側のブロッキングかという判定は非常に難しいので、特別エリア内ではノーチャージ(チャージを取らない)とするルールを定めたのです。
●判定
ノーチャージ・セミ・サークル・エリア(ゴールリング下を中心とした半径1.25メートルの半円)のライン内に、防御側プレーヤーが待ち構えます。そこに攻撃側プレーヤーが、ゴールに向かってドライブ(パス・シュート)します。この場合エリア内で身体接触が発生した場合は、攻撃側のチャージングはとられません。しかし攻撃側プレーヤーが体の一部を不当に使って接触した場合は、チャージングをとられます。またシュートミスによるボールの取り合い(リバウンド)にも適用されません。
●目的
防御側プレーヤーがゴール下で待ち伏せし、わざと攻撃側のチャージングを狙う行為を防止する目的があります。セミサークルエリアの判定は難しく、審判への抗議などを減らす効果もあります。3秒ルールと同じように、ダイナミックで動きのある攻撃側のプレーが求められた結果ともいえます。
攻撃側に有利なノーチャージですが、あくまで微妙な判定結果に影響を与えるだけです。ルールをしっかり守り、テクニックやスキルを向上していく努力が求められるでしょう。