お盆になるとお盆飾りを行いますが、お盆飾りとはどのようなものなのかイマイチ分からない方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はお盆に飾るお盆飾りについてまとめました。
盆棚の準備の方法と用意するもの
まず必要になってくるのはお盆にご先祖様を迎えるための盆棚です。最近ではマンションなど、限られたスペースに盆棚を作るしかないケースなどが多くなってきたため、盆棚も簡略化されています。まず台を用意してその四隅に笹竹を立てて、縄をはり、設置した台の上にまこものゴザを敷いて、その上にお位牌、三具足、お供え物などを飾るのが最近では一般的といえるでしょう。またお盆飾りとして有名なナスの牛やキュウリの馬などもこの盆棚に供えるものです。
ナスの牛とキュウリの馬
お盆飾りにしばしばお供えするナスの牛とキュウリの馬ですが、これらは精霊馬といい、ご先祖様があの世とこの世を行き来する際に使用する乗り物とされています。キュウリの馬には、あの世からこの世にすぐに帰ってこれるようにという願いが、ナスの牛にはこの世からあの世にできるだけゆっくり戻って欲しいという願いがそれぞれ込められています。
マコモのゴザを使用する理由とは
マコモとはイネ科の植物で、それを敷いたものをマコモのゴザといいます。お釈迦様がこれに病人を寝かせて治療したという伝承から、盆棚の下に敷かれるようになったとされています。
笹竹を用意する理由とは
笹竹には結界を張る力があるとされています。そのため、これを用いて盆棚を囲うことによって盆棚が清められた状態に保つという意味合いがあります。このお盆飾りは最近では簡略化されて設置されないこともありますが、できることなら用意して置くべきでしょう。
盆提灯を用意する理由とは
盆提灯には、ご先祖様の霊が迷うことなく家に来れるようにする役割があります。そのため、由緒正しい家系の場合は家紋を入れている場合もあるでしょう。盆棚の横に飾ったり、軒先に吊るして飾るのが一般的です。
盆花に用いられる花の種類
盆花にはキキョウやハギを用いるといいでしょう。ミソハギは「みそぎはぎ」とかけて縁起の良い物であるとされています。また、故人が気に入っている花や植物があった場合は、それらを供えることも多くあります。ご先祖様も形にこだわったものよりも生前自分が好きだった花を供えてもらったほうがきっと嬉しいでしょう。
ほおずきを供える理由とは
ほおずきは感じで「鬼灯」とも書き、ご先祖様が提灯や迎え火を目印に帰って来ることから似ているほおずきを供えるようになったと言われています。また、農作物があまり収穫できなかった時期に、鮮やかな色のほおずきをお供え物とすることで、少しでもお供え物を鮮やかにしようという試みからそうなったという説もあります。
そうめんを供える理由とは
そうめんのお供え物は七夕の時にそうめんをお供え物として用いたことがきっかけであるとされています。熱病にかかりにくくなるという言い伝えや、針仕事が上達するようにという願いから平安時代に七夕に供えられていたそうです。それがやがて細く長く幸せが続くようにという願いや、ご先祖様があの世に帰る際に荷物を背負う紐の代わりになるという考えにより、お盆に供えられるようになったようです。
水の子をお供え物にする理由とは
水の子とは、キュウリやナスをさいの目に刻んで、洗った米と混ぜた水を入れた器に入れたものです。この水の子にはご先祖様がこの世に帰ってきた際に、あの世からこの世に帰ってくるときに乾いた喉に少しでも楽に食事ができるようにという願いが込められています。
お盆飾りを飾る時期は?
お盆飾りを飾る時期は、一般的には13日から16日の間の4日間とされています。7月か8月かは地域や宗派によって違うので、自分の家族に当てはめて考えるといいでしょう。準備はできることなら8月にはいった頃からするのが理想的とされています。
地域や家庭に合わせたお盆飾りを
ここで紹介した盆棚やお盆飾りは、あくまでも一般的な形のひとつであり、それぞれの家庭や地域によって独自の風習をもつ場合が少なくありません。その場合はもちろん、それぞれの家庭に合わせた盆棚を作り、そのやり方に合わせてご先祖様をお迎えしましょう。
それぞれの意味を理解しよう
このようにお盆飾りのひとつひとつには意味や願いが込められています。最近ではどんどん簡略化されてしまっているお盆飾りですが、正しい意味を理解して、たとえ飾らない場合でもその願いだけは忘れないようにしていきたいですね。