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テニスのプレースタイルの変遷について

レギュラーサイズ・ラケット

今から約40年ほど前、ラケットは70平方インチの木製でした(ジミー・コナーズはアルミフレームのT2000でしたが…)
木材の強度がネックになり、当時のラケットは現在のものよりもはるかに小さなフェイス面積でレギュラーサイズと呼ばれるものです。
わたしがテニスを始めた頃のハナシです。
ラケット面は小さくフレームは反発力の低い木製ですので、ボールは飛ばないし丁寧に打たないとすぐフレームショットになります。
必然的にボールを打つというよりも、ラケット面でボールを捕まえてから押し出すようなスイングが基本でした。
この時代にテニスを始めた人は、ボールに対してしっかり横向きになり、軸足から踏み込んだ前足に体重移動させることで、ボールを押し出すスイングが身体に染み付いています。
こんな状況を一気に変えてしまったのが、デカラケの登場でした。

デカラケの登場による変化

1970年台後半に登場したオーバーサイズのラケット(デカラケ)は、それまでのテニス観を大きく変えてしまいました。
グラファイト・カーボンを使用した高強度のラケットは、フェイス面積100平方インチオーバーを実現し、大きなスイートスポットと高反発力によるパワーテニスへと変化していきました。
特に、腕力の弱い女性やジュニアのパワー補助、またスイートスポットの広さはネットプレーで大きな武器になりました。
グラウンドストロークの打ち方も体重移動を主体としたスイングから、身体の捻りを利用したコンパクトなものとなり、トップスピン全盛時代になりました。
身体能力に優れた男子トッププロは「デカラケは飛びすぎる」という理由で、当初は使用する選手は少数でしたが、オーバーサイズとレギュラーサイズの中間となる「ミッドサイズ(90平方インチ)」の登場により使用者が急増しました。
今ではこのミッドサイズが標準になり、100平方インチがオーバーサイズと位置付けられています。

ラケットの性能向上が、現代テニスのプレースタイルを作り上げたとも言えるでしょう。

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