権利者に無断で映画を上映すると言うと犯罪的な響きがしますが、こういった無断上映の被害が一番大きいのは学校の文化祭や地域の催し物など身近な場面であるという事はあまり知られてません。特に「文化祭」となると細かな部分で解釈の問題なども出てくるので、簡単にでも良いので著作権法を知っておくべきです。
学校と著作権
文化祭というのは「学業の一部」とみなされます。そして著作権法には学業に関連する場合の例外規定がいくつかあり、学業に関係する事であれば許可を取る必要が無いという事になっています。
このあたりを勘違いして「学校行事だし映画を流してもいいだろう」と言った軽いノリで映画を流し問題になる事が多いのですが。ここにおける「学業」とは基本的に生徒に見せる資料映像や、教科書に乗せる絵などを想定おり、不特定多数の人間に見せる文化祭の映画上映には当てはまりません
営利を目的としない場合
次に問題になるのが、営利目的か否かという点です。著作権法では、非営利目的で客から料金を取らない場合は許可はいらない。という事になっています。例えば無料の託児所などでで子供向けにアニメ映画を流したりする程度であればこれに当てはまるので許可はいりません。ただし営利目的か否かというのは判断が難しく、単純に料金を取らなくても文化祭自体への客寄せを目的としているのであると判断されれば営利目的と判断されます。
つまり、ほとんどの場合において学校の文化祭では権利者の許可が必要となります。
放映をする場合
文化祭で映画を上映したいという場合一般的に販売されている個人向けDVDは権利上の問題で利用してはいけません。なので業者に依頼するなどして業務用フィルムやビデオを確保する必要が有ります。また当然の事ですが放映の際には権利者と会社に連絡をし放映の許可を取り、断られた場合は放映してはいけません。
しかっかりと学んだうえで放映を
このように文化祭だからと言ってレンタルビデオ店からDVDを借りて来て、と言った具合に簡単に映画を放映してはいけません。
もし無断上映を行ってしまった場合、個人なら1000万円以下、法人なら三億円以下の罰金が下される決まりになっており、気軽な放映一つが大問題になる可能性があるので、しっかりと権利者に相談した上で放映するようにしましょう。