日本バスケット協会が「15歳以下でのゾーンディフェンス禁止」という提案を出し、バスケ界に波紋が広がったのは記憶に新しいところです。
では何故、このような流れになったのか、ゾーンとマンツーマンのメリット、デメリットを比べてみたいと思います。
ゾーンディフェンス
ゾーンディフェンスとは、選手それぞれがある一定のエリアを分担して守る戦術です。
・メリット
選手同士の間隔が取りやすいのでバランスよく守れ、相手に抜かれてもフォローしやすい。
守備の穴(スペース)ができ難い。
選手個々の1対1に対する守備能力が高くなくても守れる。
守った後、速攻に移りやすい
・デメリット
相手選手が、自分の守っているエリアから出て他のエリアへ行こうとした場合の守備の受け渡しが曖昧になる。
自分のエリアに入って来た選手に対して守備をするので、相手選手との身長差や能力の差があった場合、不利になる。
3ポイントシュートなどのアウトサイド攻撃に弱い。
マンツーマンディフェンス
特定の選手に対して1対1(マンツーマン)でマークするので、マンマークとも呼ばれます。
ゾーンがエリアを守るディフェンスなら、マンツーマンは人を守るディフェンスといえるでしょう。
・メリット
マークする相手の体格や能力に合わせて、適材適所の選手の配置ができる。
選手それぞれの責任のエリアが判りやすい。
難しい戦術はないので、急造チームでも対応できる。
・デメリット
相手チームとの能力差があるとマークに付ききれない。
マークを抜かれた場合、他の選手もそれぞれマークしている選手がいるのでフォローが遅れる。またそのために全体の守備にズレが生じる。
デフェンス側は相手選手に合わせて位置取りするので、ディフェンダーが誰もいないスペースができてしまう。
おわりに
日本バスケット協会は「15歳までは基礎的な技術を学ばなければいけない年代なのに、ゾーンディフェンスを順守することで1対1の対応が出来なくなっている」などと指摘しました。
これは決してゾーンディフェンスを否定しているわけではありません。
若い年代は先ず、選手個人個人の能力を上げて行くことが大切であり、それにはマンツーマンで対処することがスキルアップに繋がるとの考えからです。
ゾーンディフェンスでも、局面ではマンツーマンの対応を要求されます。
要はマンツーマンディフェンスがある程度できていなければ、ゾーンディフェンスをやっても効果は出ないということです。