毎年楽しみにしているクリスマス。
なぜクリスマスを祝うのか、その背景を知っていますか?
知っているようで知らない「クリスマスの歴史的背景」をご紹介します。
そもそも、クリスマスとは?
今では恋人とプレゼントを交換したり、クリスマスケーキを食べたりする、一種のイベントとなっている「クリスマス」。
どのような背景の元に生まれた記念日なのでしょうか。
実は、イエス・キリストの誕生を祝う日なのです。
キリスト教では、復活祭の次に大切な日とされています。
しかしながら、イエス・キリストが12月25日に誕生したという記述はどこにも残っていません。
一説には、ミトラ教の冬至を祝う祭りが転じて、クリスマスになったのではといわれています。
クリスマスツリーとは?
街中で見られる「クリスマスツリー」。
自宅にも飾るという方も多いと思います。
この煌びやかなクリスマスツリーの背景には「アダムとイブ」が関係しています。
中世ドイツで行われた「アダムとイブ」の劇。
そこでで使用されていた樹木に由来して、クリスマスツリーは誕生しました。
劇で使用されていたものが、現代の慣習になるなんて驚きですよね。
また、クリスマスツリーにイルミネーションなどの飾りつけは、19世紀以降のアメリカが発祥のようです。
サンタクロースとは?
子どもたちをわくわくさせる「サンタクロース」。
実は、本当に居たんです!
サンタクロースのモデル「ニコラオス」はローマの神学者です。
この当時、どこも貧しく飢えた生活をしている者がたくさん居ました。
その貧しい者に、金貨を恵んだという伝承が、サンタクロース誕生の背景とされています。
サンタクロースの決定版!
「サンタクロース」のモデルは「ニコラオス」と説明しましたが、なぜサンタクロースは赤い服なのか、太っているのか、気になりますよね。
私たちが思い描くサンタクロースの風貌は、1860~80年代に風刺漫画家「トマス・ナスト」が「ハーパーズ・マガジン」のクリスマス号に描いたものが影響しています。
①サンタクロースは赤い服を着ていて、眼鏡をかけて、太っている。
②仕事場は北極にある。
③良い子と悪い子を分類したリストを持っている。
そしてこれが1930年代に、コカ・コーラ社の広告として起用され、広く普及していきました。
クリスマスプレゼントとは?
クリスマスの日、恋人とプレゼントを交換したり、子どもたちにはサンタクロースからプレゼントが届きます。
その由来は何なのでしょうか。
「クリスマスプレゼント」はニコラオスが金貨を分け与えたことに由来しています。
その際に、窓からこっそり金貨を投げ入れようとしたところ、窓が開いていませんでした。
そのため、煙突から家の中に落とすと、金貨が丁度暖炉に干してあった靴下の中に入ったと言われています。
赤鼻のトナカイとは?
真っ赤なお鼻のトナカイさん♪
歌は知っていても、このトナカイの名前、知っていますか?
名前は「ルドルフ」
このルドルフ誕生の背景には、父の子を思う愛があるのです。
1938年アメリカにロバートという人がいました。
とても貧しい暮らしで、妻は病気に倒れてしまいました。
そんなある日4歳の娘に質問をされます。
「どうして私のママは、みんなのママと同じじゃないの?」
ロバートは、せめてこの子を幸せな気持ちにしてやらなくては・・・と「ルドルフ」の詩を描きました。
日本でのクリスマスとは?
1522年、日本にクリスマスがやってきます。
周防の国(現在の山口県)にやってきた、宣教師フランシスコ・ザビエルがミサを行ったことが始まりと言われています。
当時の日本ではクリスマスを「ナタラ」と言っていました。
1560年頃、京都にキリシタンらが100名以上集まり盛大にクリスマスを行ったという記録が残っています。
しかし、1617年、幕府がキリスト教禁止令を発令したため、その後、開国までクリスマスは日本の歴史から姿を消してしまっています。
再びクリスマスの登場
クリスマスが一般的に知られるようになったのは、明治37年に「明治屋」が銀座へ進出したことがきっかけです。
当時、珍しかったクリスマスツリーを店頭にディスプレイし、それが話題となってクリスマス商戦が始まりました。
大正時代では、有名ホテルでクリスマス晩餐会が開催され、サンタクロースが日本映画に登場するなど、少しずつ慣習として浸透していきました。
しかしながら、クリスマスブームは第二次世界大戦によって、姿を消します。
戦後になり、東京の有名デパートを中心に少しずつですが、クリスマス商戦が活気を取り戻します。
朝鮮戦争勃発の頃には、日本の景気回復により、クリスマスをキャバレーで過ごすスタイルが流行しました。
そして昭和25年頃、一般家庭にもクリスマスを祝う慣習が定着したとされています。
クリスマス誕生の背景
クリスマスやサンタクロース、赤鼻のトナカイなどには様々な歴史的背景があります。
そして今ではすっかりクリスマスも、私たちの生活に溶け込んでいることが伺えます。
歴史的背景を知ることで、クリスマスを今までとは違った捉え方ができるのではないでしょうか。