毎年恒例サッカーの天皇杯って？

毎年のお正月の風物詩として恒例のサッカー天皇杯決勝ですが実はJリーグが開始されるもっと前からずっと行われていました。昔は大学のサッカーチームや実業団が優勝の常連でした。長い歴史を持つサッカーの天皇杯とは？

2016年はガンバ大阪が優勝

まずは今年の天皇杯ですが優勝したのはJリーグのガンバ大阪です。決勝戦では同じくJリーグの浦和レッズと対戦しました。どちらも日本代表の選手が多く在籍するチームで決勝はとても見ごたえのある日本の最高峰のサッカーを目にすることができました。まさに日本一の戦いが繰り広げられていたのです。

天皇杯はいつから始まるの？

お正月に決勝が行われる天皇杯ですがいつから予選は行われているのでしょうか。天皇杯の予選は実は全国各地で夏頃から行われています。天皇杯の本戦出場を目指して多くの社会人チームや高校生世代のチーム、大学のサッカー部などが出場し熱戦を繰り広げます。夏から始まる予選の勝者が各県の代表として天皇杯の本戦に出場することができJリーグの強豪と対戦する権利を得ることができるのです。

今の天皇杯はどういう仕組み？

現行の天皇杯ではまず先に述べたように全校各地で本戦出場を決める予選が行われます。大会参加チームは各県において様々ですがトーナメント方式で予選が行われ決勝で優勝したチームのみが天皇杯の本戦に出場できます。そこから毎年11月頃から天皇杯の本戦が始まります。天皇杯の本戦はJリーグに所属する各チームと予選を勝ち抜いた都道府県代表のチームがトーナメント方式で戦います。Jリーグチームはカテゴリーが上位に行くほどにシード権が与えられ試合数が少ないというメリットがあります。試合もトーナメント方式で延長でも決着がつかない場合はPKで勝敗を決めるので県の代表がJリーグのチームに勝つという番狂わせも起こりやすいです。

大番狂わせを起こしたチーム

大学生ながらにJリーグのチームに勝ち大番狂わせを演じ、衝撃を残したのが明治大学サッカー部です。明治大学サッカー部は第89回の天鳳杯で当時J1に所属していたモンテディオ山形をなんと3-0という圧倒的スコアで勝利しました。誰もが大学生がプロには勝てるわけがないという意識の中見た人をとても驚かせる気持ちの込もったプレーで勝利し旋風を巻き起こしました。アマチュアがプロに勝利するという瞬間を見られるのも天皇杯ならではです。

サッカーファンの印象に残る試合

天皇杯では様々なドラマが数多く生まれています。サッカーファンの多くの人が記憶に残っている試合が第83回の市立船橋高校対横浜Fマリノスの試合です。高校チャンピオンの市立船橋とJリーグチャンピオンの横浜Fマリノスの試合は当初は横浜が大差で勝つだろうと誰もが思っていました。しかし結果は延長でも決着がつかず横浜のPK勝ちとなります。まだ高校生である市立船橋は大健闘でした。しかもキャプテンが退場した中での戦いです。前半は圧倒的なプロの力を見せつけられていたのですが後半に驚異の追い上げを見せての健闘、当時の市立船橋イレブンには負けてもすっきりとした笑顔が見られとても感動するシーンでした。

涙なしでは語れない感動の試合

もう一つ涙なしでは語れない感動の試合があります。第78回天皇杯決勝の試合です。対戦カードは横浜フリューゲルス対清水エスパルスです。横浜フリューゲルスと聞いてわかる人もいるかと思いますがJリーグの強豪であった横浜フリューゲルスはその年に同じ横浜にホームタウンを持つ横浜マリノスに吸収合併されることが決まっていました。すでにリーグ戦も終わり天皇杯が終わればチームは消滅説いう状況の中選手たちは一試合でも多くという気持ちを胸に天皇杯を戦い決勝では勝利し優勝を果たしました。チームがなくなる年に最後の天皇杯優勝というドラマのような展開で多くのサッカーファンの記憶に残っているでしょう。

天皇杯はいつから始まった？

天皇杯の歴史は長く戦前に遡ります。イングランドのサッカー協会から贈られたトロフィーをきっかけに日本でもサッカーを普及させようと1921年に初めて開催されました。出場チームは3チームで東京蹴球団が初代の王者となっています。それから第二次世界大戦までの期間大学生チームを中心に毎年行われるようになりしたが戦争により中断します。

戦後から現在までの天皇杯

戦後の1946年から再開された天皇杯ですがJリーグができる前は実業団チームが優勝の常連となっています。日産や読売などのチームが多く優勝し話題になりさッカー熱が高まっていきました。そんな中でJリーグが始まりさらに人気が高まります。1996年からは高校生も参加が可能となり大番狂わせが多く起こるようになり若い世代の目標の大会ともなるようになりました。