サッカーでJリーグや日本代表などの試合中に必ず耳にする、「チャント」と呼ばれる応援歌。選手たちを鼓舞するそんな応援歌には、意外な曲たちが使われていました。今回はそんな面白いサッカーの応援歌を紹介します。
応援歌(チャント)の特徴
サッカーの応援歌、特にサポーターが試合中に歌い上げるものは「チャント」と呼ばれています。チャントは英語で「chant」と書き、詠唱・唱和といったように訳されることが多いです。チアリーディングの掛け声もチャントと呼ばれますが、大きな特徴として、ある程度単純で一定の音程やリズムを繰り返すことが挙げられます。
日本代表の有名な応援歌
サッカー日本代表で非常によく聞かれるのは、「ニッポン!パン・パン・パン」という手拍子と合わせた「日本コール」や、「ニッポン オーレー」の唱和を繰り返す「日本オーレ」があります。いずれも非常にシンプルなチャントで、会場に初めて来たサポーターでも一緒になって歌えるのが大きな特徴です。
日本代表の応援歌の原曲は様々
応援「歌」と称されるように、チャントの多くは様々な楽曲の1部を原曲にしてアレンジしていることがほとんどです。例えば「エンターテイナー」は、1902年にスコット・ジョプリンによって作曲された同名の曲ををそのまま使用しています。そのほか、「オーレー オー日本」という掛け声が有名な「GO WEST」は1970年代後半に発表されたヴィレッジ・ピープルというグループの代表曲で、世界中で応援歌として歌われたことで多くの人が知っている曲です。
あの応援歌の意外な原曲「バモス編」
「オー バモ日本」という掛け声が非常に有名な「バモスニッポン」。スペイン語でバモスは「さあ、行こう」という意味があり非常に前向きなチャントですが、実はこの曲、Men without hatsというグループが1987年に発表した「Pop goes the world」という楽曲が元になっているんです。有名なフレーズですが、一方でなかなか原曲が知られていません。
あの応援歌の意外な原曲「アイーダ編」
「オーオー オオオオ・オ・オ」というフレーズが特徴の、「アイーダ」という名前の応援歌。どこか厳かな雰囲気を感じるこのアイーダですが、この曲の原曲は1871年にジュゼッペ・ヴェルディが発表したオペラ曲なんです。オペラとしても世界的に有名なこのオペラを原曲に最初にチャントを作ったのはイタリアのクラブチーム、フィオレンティーナでした。
幻の応援歌「ジェリコ」
今まで紹介したのはいずれも長年日本に愛され続けている応援歌ですが、今や「幻」と言われるようになったのが、「ジェリコ」という名前の応援歌です。2010年に開催されたワールドカップの南アフリカ大会での新しい応援歌として歌われていたのですが、この応援歌があまりに大不評となってしまい、次第に歌われなくなってしまいました。もともとはアフリカ地方で歌われていた黒人霊歌の「ジェリコの戦い」が原曲だったこの応援歌。原曲は名曲なだけに残念な結果となってしまいました。
おすすめのサッカーJ1の応援歌
日本代表に限らず、Jリーグでも有名なチャント、かっこいいチャントが多数あります。特に有名なのが、サッカーJ1の清水エスパルスの「グリコ」、ベガルタ仙台の「スウィンギン・バイ」、ジェフ千葉の「あっこちゃん」、サンフレッチェ広島の「ヒロシマナイト」などです。特にベガルタ仙台のスウィンギン・バイはアーティストの氣志團がカバーもしているので、そちらで聞いた事のある方はいるかもしれません。
ユニークな海外サッカーの応援歌
サッカーの本場であるヨーロッパなど海外サッカーの応援歌は、現在のJリーグの応援歌の元にもなっているような有名なものが多数ありますが、中には皮肉たっぷりのチャントも有名です。中でもよく知られているのが、当時相手選手に噛み付いたことで知られるスアレス選手に向けて、噛みつきネタをふんだんに盛り込んだチャントを歌い上げていました。
サッカーの試合では応援歌も楽しもう
両チームのサポーターたちが繰り広げる応援歌は、サッカーの試合の大きな見所の1つと言えます。初めてサッカー観戦に行ったなら、その熱狂的な応援歌を聞いて楽しんでみてください。そして逆に、会場の雰囲気に慣れてきたならサポーターの熱気に包まれて一緒にチャントを歌って選手を盛り立ててあげましょう。