ハンドボールにおいて、ディフェンスといえばゾーンで守る場合が殆どです。ゾーンとは相手選手にマークに付くのではなく、守備のゾーン(地域)を分けて、それぞれのゾーンの受け持ちの選手が、そこに入って来た相手に対して守備をする形です。
今回は、ハンドボールにおけるディフェンスについてご紹介します。
ゾーンディフェンス
ゾーンディフェンスにも幾つかのシステムがあります。
・6-0
6mライン(※1)に沿って全員がゴールエリアを囲むように並んで守ります。 DF(ディフェンス)の間隔が狭いので、ポスト(※2)を自由にさせない、或いはフローター(※3)に抜かれ難いという利点がある 反面、ロングシュートが狙われ易く、引いて守っているので相手にとってパス回しが楽です。
・5-1
6mラインに沿って5人が並び、1人が前に出た形。この前に出た選手をトップと呼びます。 前に出た選手がフローターにプレッシャーを掛け、相手のパス回しを妨害します。これによってロングシュートを防ぎ、攻撃に転じた時はトップと誰か味方の選手との複数で速攻ができる利点があります。 反面、トップの選手には豊富な運動量が必要とされますし、サイドからのシュートが撃たれ易いです。
・4-2
5-1からトップの選手が2人になった形。トップの2人がフローターにプレッシャーを掛けます。 常に2人が前にいるので、攻撃に転じた時に複数の速攻が可能になるのが利点です。 反面、サイドシュートを撃たれ易く、6mラインの守備の間隔が空いてしまいます。
・3-2-1
6mラインに3人並べて、その前に2人、そしてその前に1人を置いて三角形を作る形。 マンツーマンに近いディフェンスで、フローターの動きを封じます。前に人数がいる分相手ミスからの速攻に利点があります。 反面、豊富な運動量が求められますし、守備の間隔が空いている分、相手に抜かれてしまうと一気にピンチを招きます。
・3-3
6mライン沿いに3人、前に3人を配置した形。 前の3人が高い位置で守って、フローターの動きを止めます。ロングーシュートを防ぎ易く、相手にとって中央突破がし辛いのが利点です。 反面、後ろの人数が薄いので、サイド攻撃やポストに対して手薄になります。
その他のディフェンスシステム
ゾーンディフェンス以外にも基本的に2つのシステムがあります。
・オールコートディフェンス
全員が前に出て、相手にプレスを掛ける形。 相手に与えるプレッシャーが大きい反面、守備の間隔が空くので抜かれてしまうと中に入られてピンチになり易く、リスクの高い守備隊形です。
・マンツーマンディフェンス
相手の選手それぞれにマークに付く選手を決めて密着する形。 ゾーンが地域を分担して守るのに対して、マンツーマンは相手選手を分担して守ります。 マークに付かれた選手は自由な動きが取り辛くなるため、成功すれば完璧な守備といえますが、オールコートと同じように抜かれてしまうと簡単に中に入られてしまうリスクの高い守備形態です。
まとめ
いかがでしたか。ハンドボールはチームによってや試合の時間帯や点差によって、使うディフェンスのシステムは変わってくるでしょうが、どんなシステムを採用するにしても選手間でそれぞれが守るゾーンや相手選手などについての分担や守備の受け渡しについての相互理解をしっかりしておくことが肝要です。
※1)6mライン:ゴールから前方6mの地点に引かれたライン。 ※2)ポスト:ゴール前でサッカーのフォワードのようにディフェンスと駆け引きしたり動いてシュートコースを作ったり、自らもシュートを打つ。 ※3)フローター:センターバック、レフトバック、ライトバックの攻撃の中心となる3ポジションをまとめてこう呼ぶ。