「ハンドボール」とは、1チーム7名(キーパー1、コートプレイヤー6)ずつの2チームが、40m×20mのコート内で相手のゴールにボールを入れあう球技の一種です。日本名では「送球」とも呼びます。運動における基本の3要素(走・跳・投)が必要であり、総合的な身体能力に加え、格闘的な要素も含むスポーツです。このハンドボールはいつ何処で始まったのでしょうか?ハンドボールの歴史とルールを見てみましょう。
ハンドボールの歴史
ハンドボールは、19世紀末頃にデンマークのホルガー・ニールセンが考案した7人制のものと、20世紀初頭のドイツの女子を中心に行われた11人制のものとが始まりといわれています。1936年にはオリンピック競技としても採用され、一時期はずされた後も、1972年のミュンヘン大会からは7人制の競技として正式に採用されています。日本ではあまり馴染みのないスポーツかもしれませんが、発祥であるヨーロッパにおいてはサッカー並みの人気を誇っています。ですが、日本にも1922年に大谷武一によって伝えられ、1983年に日本ハンドボール協会が設立されました。日本でも当初は11人制でしたが、1952年に7人制が広まり普及しました。そして、1972年のミュンヘン大会には男子日本代表が出場し、続く1976年には女子代表も出場しています。
基本的なルール
ハンドボールはフットサルと同じ面積(40m×20m)のコートに、2m×3mのゴールを置いて行います。ゴールから6mの所に引かれた半円のラインを「ゴールエリアライン」といい、ゴールエリアライン内にはコートプレイヤーは侵入してのプレーができません。同じく、9mの所に引かれたラインを「フリースローライン」といい、このラインの内側で守備側が反則を犯した場合、攻撃側は一番近いフリースローラインからフリースローを行います。そして、ゴールの正面7mの距離に引かれたラインを「7mライン」といい、得点可能が明らかな場面で守備側の反則により得点機会を防がれた場合などに、攻撃側はこのラインから7mスローを行います。また、選手交代はレフェリーに申告することなく自由にできる為、インプレー中であっても試合を中断すること無く何度も交代できます。そして、ハンドボールでは身体の軽いぶつかり程度ならば反則にはなりません。明らかに相手を掴んで捕まえているだとか、足を出してつまずかせるなどでない限りはレフェリーは止めないでしょう。競技時間の基本は、前半30分、後半30で行われ、同点の場合は10分の延長も行います。最終的には7mスローコンテスト(サッカーのPK合戦)で勝敗を決めます。
ハンドボールは、格闘技かと形容されるほどの激しいボディコンタクトと、1分に1点も入るほどのスピーディーな試合展開が特徴なスポーツです。身体全体を使ってのプロのシュートは、時速110~130kも出ているため圧巻です。ハンドボールは球技としては異色ではありますが、身体をフルに使ってのパワーとスピードのぶつかり合いに、魅了される人も多いことでしょう。