酸素ボンベがなければ7500m以上は徐々に死へと近づくデス・ゾーンだと言われています。エベレストの山頂は8848mです。成功率は30%で、7人に1人は死ぬといわれる世界でエベレスト登頂に成功するにはどんな訓練がよいのでしょうか。
三浦雄一郎さんの基本トレーニングの例
・脚と腰を鍛えること
町を歩くときも山を散歩するときも常に、足には重い登山靴をはいてさらに重りをつけて重くし、重たい荷物を背負って歩きます。三浦さんは65歳のときに5年計画で訓練を始めたので、3年目になると、片足5kmずつの重りをつけて背中に20kmの荷物を背負って歩けるようになっていたそうです。5年目には片足10kgずつで、両足で20kgの錘をつけ、背中には25kgをしょって歩いていたそうです。
・そのほかの日常生活でのトレーニング
昇降には階段をつかうこと、電車に乗ったら何もつかまらず何にも寄りかからずに立つこと、待ち時間などの空いた半端な時間にはつま先立ちをすること、この3つを実行したそうです。
高地順応訓練
血中の赤血球を増やして必要な酸素を体中に送り届けるためのトレーニングです。気圧が薄く、酸素が少ないと、普通の人は十分なパフォーマンスができません。できる限り短時間で一気に山頂に登り詰めて、また急いで安全なベースキャンプまで戻ってくる必要があります。登頂までの最後の50メートルを登りきるのに、ベテランの登山家でも5時間はかかると言われます。この訓練は一般的に、日中の休憩の時間と夜間を高地で過ごし、低地でトレーニングを行うか、または低地に住んで高地でトレーニングを行います。
エベレスト登頂に向けた訓練方法、まとめ
成功すれば世界記録にもなりえますが、何年も苦しい訓練をして食事の制約を受けるのは大変なことです。近年は設備や技術の向上によってエベレスト登頂は昔よりも楽になったともいわれますが、それでも100%安全ということはありえないようです。