毎年お正月には神社やお寺に行って初詣!でも、初詣の意味ってご存知でしょうか?元来の意味とは?そして長い歴史の中で、初詣には誰もがよく知るアノ近代的な〇〇が深く関わっていた…。その驚きの事実とは!?
現代と当時の大きな違い
もちろん現在でも、地元の神社仏閣にお参りに行く人は多いですよね。でも同時に、「今年の初詣は少し足を伸ばして、他県にある〇〇神社/〇〇寺に行く!」なんて人も多いと思います。それに対し当時は、自宅に近い、徒歩でも行ける神社仏閣にお参りに行っており、地元から離れた遠い神社仏閣にお参りに行くということはあまりなかったのだそうです。
改めて現在の初詣の姿を考えてみると…
江戸時代くらいまでは氏神や恵方による参詣が基本でしたが、現在では恵方詣りをする人や、氏神様を意識したお参りをする人はあまり見られなくなりましたよね。そして、地元の神社仏閣へ参拝しに行く人だけでなく、遠方の有名な神社仏閣へ参拝しに行く人も増えました。またお参り方法についても、大晦日から元日までお泊りする「年籠り」ではなくなり、参拝は元日のみになりました。これが現在の初詣の姿ですね。
現在の初詣はいつ頃から?
このような、氏神や恵方にとらわれない現代の初詣の形が出来上がったのは、実は意外に最近。現在の初詣が出来上がっていくのに大きく関係していたのが、なんと電車でした!電車の開通とともに現在の初詣が徐々に形作られていき、それが全国に広がり、そして定着していったのだそうです。
元日のみの参拝もこの頃から
電車が登場し始めた頃にはすでに「年籠り」でなく「大晦日に行う参拝」と「元日に行う参拝」の2つに分かれていたそうなのですが、電車の開通によって、「元日に行う参拝」だけを行う習慣が広まって行ったそうです。今でも大晦日と元日どちらも参拝する地域があるようですが、一般的にはこの「元日に行う参拝」だけですよね。初詣と電車がここまで関係していたなんて、意外!
電車で遠くまで行けるように
昔は自宅から近い神社仏閣にしか行けませんでしたが、電車の開通により、遠くまで行けるようになりました。そのおかげで、遠いけれども名高い神社仏閣に行けるようになり、現在ではわざわざ初詣に他県の神社仏閣へお参りに行くことは珍しくなくなった、というわけです。
恵方詣りが消えていった意外な理由
一方、毎年方角が変わる恵方詣りはどうかと言うと、電車の開通によってすぐに消えることはなく、むしろ一時期は盛んになりました。しかし各道会社各社が、自分たちの沿線上にある神社仏閣こそが「今年の恵方!」とうたい始め、宣伝が激化。「結局どの神社仏閣が今年の恵方なの?」となってしまい、方角関係なく使える「初詣」という言葉のほうが広まって、恵方の意味は徐々になくなっていったのだそうです。お正月の恵方が消えたのも、電車が大きく関わっていたんですね。
今年は氏神・恵方詣りしてみる?
現在の初詣の姿は、元々の宗教的な意味と近代の商業的な意味が融合し変化してきました。こうして初詣の意味や由来、変化の過程を見てみると、たまには元々の初詣を経験してみるのも面白いかもしれませんね。大昔の私たちのご先祖様達に思いを馳せ、今年は氏神様や恵方にある神社仏閣に参詣に行ってみてはいかがでしょうか?