アメフトのキックプレーには、前後半の開始時などに行われるフリーキックのほかに、パントキックと呼ばれるキックもあります。パントはどのようなときに、どのように決めると良いのでしょうか。
パントの役割
アメフトには一度に4回の攻撃権があり、その内に10ヤード以上進むことができると、再度攻撃する権利を得ることができます。ですが、自陣ゴール付近で攻撃開始になり、4回目の攻撃時に距離を稼ぐことができずに終わると、相手チームはゴール寸前から開始となり、相手にとても有利な状況になってしまいます。そういった状況で使われるのがパントになります。3回目の攻撃までに十分に距離を稼げなかった場合、4回目の攻撃時に攻撃権を放棄する代わりにパントをすることで、相手をゴールから遠ざけることができます。そして、相手チームはパントでボールが飛んでいったところから攻撃開始になりますが、飛んだボールをリターナーがキャッチすることができると、ボールを持って前進することができます。
パントの蹴り方
パントの役割を考えるならば、できるだけ遠くにボールを蹴ることと、相手リターナーに味方選手が近づく時間を与える滞空時間の長さが重要になることが分かります。高く遠くに飛ばすのに必要になるのは、ボールを弾丸のように回転させることにあります。変な力を加えずに手からボールをぱっと放し、足首をできるだけ真っ直ぐ伸ばすようにして蹴ります。そうすると、足の甲ですりあげられたボールには回転がかかり、軌道が真っ直ぐ綺麗に飛んでいきます。また、さらに飛距離を伸ばすためには、足を振りぬく速度を速めることができます。膝の使い方がポイントとなり、蹴る直前に膝を直角になるほど曲げてタメを作ってからインパクト時に伸ばすようにします。野球のボールなどを投げる動作を足でやるようになイメージを持ちましょう。狙ったところにボールを飛ばすには、常に同じ軌道やフォームで蹴るように練習することができます。斜め方向に飛ばす場合にも、斜めに真っ直ぐ蹴ることができれば良いのです。また、リターナーにキャッチされづらいボールとして、ナックル・パントと呼ばれる無回転ボールもあります。これは無回転ゆえに揺れながら落ちてくるボールとなり、キャッチが非常に難しいパントになります。サッカーなどでも難しい無回転ボールではありますが、アメフトのボールではさらに難しいものになります。パントが必要になる状況に合わせて、色々なパントを蹴ることができるように練習してみましょう。