現代サッカーのシステム(フォーメンション)の中のひとつに、4-4-2システムというものがあります。
ミッドフィルダー4人、ディフェンダー4人がフラットに並んだ4-4-2システムは、90年代にイタリアのACミランが導入して、現代ではイングランドのプレミアリーグのクラブが採用しているシステム(フォーメンション)です。
今回はこの4-4-2システムおけるサイドハーフの役割、巧い動き方について説明します。
4-4-2システムとは?
4-4-2では、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーがそれぞれフラット(一列)に並んでいることが特徴です。
それぞれが一列に並んで3列のラインを構築するので、3ラインとも呼ばれます。フォワードを除いて考えると、ミッドフィルダー、ディフェンダーの8人がピッチを8分割して受け持つので、攻撃時・守備時においてバランスの取れた配置となります。この場合、ミッドフィールドの中央ふたりはセンターハーフ。タッチライン側に配置されたミッドフィルダーをサイドハーフと呼びます。
サイドハーフのポジショニングは?
現代サッカーのサイドハーフは、ピッチの左右を基本に動くためポジショニングはタッチライン沿いが基本となります。これに加えて、状況に応じてピッチの中央にポディションを移動する(絞るといいます)動きも必要となります。
攻撃時は、タッチライン沿いでボールを貰い自分でドリブル突破を図って攻撃の局面を打開したり、サイドからゴール前にクロスボールを蹴って、中央にいる選手がゴールできるようパスをすることが要求されます。また自分とは反対のタッチライン側にボールがあるとき、いわゆる逆サイドにボールがあるときは、中央に移動してクロスボールに備えてゴールを狙います。
守備時では、自分が守る範囲内に入ってきた選手をマークする、後ろにいるディフェンダーと連携しながら、相手選手のマークを受け渡すといったポジショニングが必要となります。もちろん、相手からボールを奪うといった基本事項は必修です。
ボールが逆サイドにある場合
従来のサッカーにおけるサイドハーフは、基本的にタッチライン側でのプレーが基本でしたが、戦術が高度化した現代サッカーでは、ボールが逆のサイドにある時のポジショニングが変わってきます。
中央にポジションを取ることで、クロスボールに対して積極的にゴール前に入っていく、また縦にドリブルするのだけでなく斜めにドリブルすることで、ゴール正面からシュートを打つことも必要となってきます。中央にドリブルすることで相手ディフェンダーが自分をマークし移動することで、自分の後ろから攻め上がってくるサイドバックに必要なペースを空けることこともできます。
守備でも同様ゴール前の場所を守るといった必要があります。相手チームに逆サイドで起点を作られると、自陣の選手は必然的に逆サイドに集中します。そのためピッチの中央であるゴール前は人数が手薄になり、クロスボールを入れられると一機にピンチになります。サイドハーフは、この危険なゴール前を守る必要があります。
ボールが同サイドにある場合
同サイドにボールがある場合は、従来サッカーと同様となります。
自分側のサイドにボールがある場合で攻撃するときは、タッチライン際の近くにポジショニングを取ります。
味方と連携してショートパスで攻撃する場合は、パスを受けれるように細かなポジショニング修正を行い、ボールを受けやすい角度を作ること、ドリブルでボールを縦に運ぶ場合は予めドリブルするスペースを空けておき、トラップしたら素早く縦に運べる様なポジショニングを取ります。
守備時では、自分の守備範囲に入ってきた相手選手をマークしてボールが入ったらタックルできるポジショニングを取り、相手がボールを持った状態ならば、後ろの選手がパスコースを予想できるよう相手選手のパスコースを消すポジショニングが必要となります。
まとめ
従来のクラシカルな4-4-2システムとは異なり、現代サッカーのサイドハーフは上下に動いていて攻守に間接的に貢献するだけでなく、中央に移動してゴールを狙ったり、守備時にゴール前を守るといったな動きが求められています。
戦術が高度化したために、よりポディショニングを意識した動きが求められるので、今まで以上の運動量と戦術理解度が必要となっています。