海釣りや磯釣りをする方や、海を生活の場として暮らしている漁師さんたちは、潮の状態を「大潮」「中潮」「小潮」「長潮」「若潮」と言って表現しています。
「大潮」というと、よく聞くので良い潮周りだとご存じの方も多いと思います。
では、「若潮」とは何でしょうか。潮の満ち引きから「若潮」という名前が付けられました。それでは、釣りにおいての潮周りの重要性から、確認してみましょう。
釣りにおいての潮周りの重要性
なぜ潮の流れが重要なのか、それは海に生息する魚たちは、潮が流れが運ぶ酸素やプランクトンなどを食べて生きているからです。潮の流れが大きいほど、プランクトンなどが多く運ばれるため、より大きく潮の動く大潮の時に、魚が多く集まってきます。小潮の時は、潮の流れが大きくないので、魚が全く居ない訳ではないのですが、当たりがくるチャンスが少ないといわれています。
潮の流れで運ばれてきたプランクトンを食べる小さな魚がまず集まってきて、その後、その魚を食べる大きな魚が集まってくるため、大きな魚も多く集まりチャンスが増えます。そのため、一番潮が大きく流れる大潮が一番釣果が上がりやすいといわれているのです。
では、潮の満ち引きはどのようにして起こっているのでしょうか。
潮の干満
潮の干満は、月や太陽の引力によって引き起こされます。特に月の場合は、地球との距離が近いため潮の干満に与える影響が大きく、海水は月のある方へと引き寄せられます。この、月に海水が引き寄せられたところが「満潮」となり、その影響で海水が少なくなるところが「干潮」となります。
太陽・月・地球の位置関係は常に変化していますし、さらに地球は自転をしています。潮の流れはこれらの影響で以下のように変化をします。
大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→（大潮にもどる）
では、それぞれの潮の違いを確認してみましょう。
大潮・中潮・小潮
地球にいる自分の位置から見て、頭上真上に月、月の後ろに太陽がきた場合は月の引力に太陽の引力が加わりますので最大の潮位（大潮）となります。頭上真上に太陽、地球の反対側真後ろに月がある場合も同様に、月の引力と太陽の引力が重なり大潮となります。つまり、大潮となるのは新月又は満月の時です。
以上とは反対で、太陽を正面に観て月が右でも左でもとにかく真横に来たとき、すなわち「上弦の月」とか「下弦の月」の状態のときは、太陽と月の引力がお互い打ち消し合って最低の潮位（小潮）となります。
中潮というのは大潮と小潮の間の期間で、干満の差も大潮と小潮の間くらいとなります。
長潮・若潮
長潮とは、上弦、下弦を１～２日過ぎた頃（小潮の後）、干満差が一段と小さくなり、満潮・干潮の変化がゆるやかな状態です。この「長潮」を境に、大潮に向かって潮の干満差が次第に大きくなってきます。このように潮が再び大きくなる状態を「潮が若返る」と言い、長潮の翌日が「若潮」と呼ばれています。
一般的には潮の流れが悪い長潮や若潮ではあまり釣れないといわれていますが、これも場所によって「大潮よりも若潮の時のほうが狙いやすい」などといった場合もあるようです。
まとめ
一概には「大潮だから」「小潮だから」と釣りのし易さや、し難さが決まるわけではありませんが、一般的には干満の差が大きい大潮の時が一番釣果があがりやすいといわれています。釣りに行くときは、事前にそのスポットの釣果情報をインターネットで検索してみると良いかもしれませんね。
潮の干満に影響されて、潮目が発生する場合があります。潮目は、海に白っぽい筋（陸と平行に広範囲に見えたりします）や、表面に泡が立っているように見えます。（波と違ってゆっくり動いているので、波とは違うと判断できると思います。）これが潮目です。潮の流れで引き起こされている潮の堺目なため、プランクトンなどが多く魚が多く集まっているといわれています。陸から遠い場所に発生してしまうと難しいですが、届くようならこの潮目のあたりを狙って釣り針を投げ込めると、釣果が上がりやすいでしょう。
潮の干満は釣りにおいてとても重要な要素です。どんな潮周りの時に釣れるのか、釣りやすいのかは、場所によっても変わりますが、それだけでなく釣りの方法によっては大潮では釣りがしにくい場合などもあります。
「何を釣るのか」「その釣り場ではどの潮周りで釣りやすいのか」事前に確認して、良い釣りをお過ごしください！
