パッキングとは、荷造りをすること、包装を意味します。山の世界では、「ザックに荷物を詰める=パッキングする」と使います。持ち物が多い登山では、どうしても荷物の量が多く、重くなってしまいますよね。
でも、入れ方の工夫次第で、同じ量の荷物でも軽く感じられ、負担が軽減する方法があるんです。また、入れ方が上手だと、軽く感じるだけでなく、中身も整理整頓されるため、物が取り出しやすくなるといったメリットもあります。
今回は、そんなザックの入れ方、パッキングの工夫についてまとめました。
パッキングの基本
ザックに詰めた持ち物が片寄っていたり、すぐに出したいものが下にあったりすると、登山中の快適さが半減してしまうだけでなく、緊急時にも困ってしまいます。
ザックの一番下に入れるものは、使用頻度の低い持ち物(シュラフ・シュラフカバー・着替え、テント・フライなど)から順に入れます。
中間層には、重みがあるもの(食糧・クッカー・ガス類・水など)、上にはすぐに出せるもの(防寒着・雨具など)を入れます。脇やすき間には、テントポール(外付けも可)・ツェルト・トイレットペーパー・その他小物などを入れ、背中側にはテント(銀)マット、雨蓋(リッド)には、行動食・ヘッドランプ・ファーストエイドキット(雨蓋が小さければザックの上の方に入れる)・手袋・カメラなど、すぐに取り出したい持ち物を入れます。
また、外付けには、個人マットなどのかさばるものを、ウエストポーチには、地図・コンパス・筆記用具・財布・携帯電話・飴など頻繁に出す持ち物を入れます。
パッキングのコツ
パッキングのコツについて、一つ一つご紹介していきます。
1.シュラフはたたまない
シュラフ(寝袋)はきれいにたたんで入れようとすると、なかなか袋に詰めきれなかったり、きれいに入れられても、結局崩れてしまう可能性もあります。なので、シュラフはたたまず、足側の方からグングンと押し込むように入れるのがコツです。
また、突然の雨で、シュラフが濡れないように、防水パッキングする必要もあります。そこで、シュラフ袋に、ビニール袋を入れてパッキングするという方法も。外側にビニール袋を入れると、すぐに破れてしまうかもしれないので、中にビニール袋を入れるのがおすすめです。
こうすることで、シュラフを圧迫することができ、コンパクトに収めることもできます。
2.ゴミになるものはあらかじめ捨てておく
長期の縦走になると、ゴミもだんだんと増えてきます。ゴミは自分で持ち帰らなければならないので、ゴミはあらかじめ極力捨てられるものは捨てて行きましょう。食糧などは、あらかじめ日数ごとにパッキングしておくといいです。
野菜や肉類などは、山に行く前にあらかじめ炒めて、密封パッキングして持っていくのもありです。
3.重ねてコンパクトに、小分けにしてすき間なく
カップや食器類は取っ手を倒して重ねられるものがコンパクトにしまえます。また、ガス類を食器類の中に入れたり、袋にガス類をひとまとめに収納するのもコツです。ザックの中は、すき間なく片寄りなく入れるのが好ましいです。
そのため、スタッフバックなどを活用し、荷物を小分けにして空いているところに詰め込んでいくのがポイントです。
4.雨蓋(リッド)にはすぐに出せるものを入れる
登山中は、頻繁に休憩し、行動食を食べるので、その日の行動食を入れておいたり、予定外に遅くなってしまった場合にすぐにヘッドランプを出せるようにしたり、転んでけがをしたときでも、すぐにファーストエキサイドキットを出せるなど緊急時や頻繁に使えるものを入れておきます。
5.密閉袋(ジップロック)を活用
小物のパッキングで活躍するのが、ジップロックです。ジップロックは透明で中身が見やすいだけでなく、雨でぬれることもありません。地図や携帯電話、衛生セット、行動食などを小分けに入れたりします。
6.防水対策を
山では、突然の雨もしばしば。大切な荷物を濡らさないためにも、防水対策は必要です。防水対策としては、ザックと同じサイズのドライパックという防水袋に中身を入れて防水パッキングする方法と、防水タイプのスタッフバックに荷物を入れてパッキングする方法と、ザック全体をザックカバーで防水するという3通りの方法があります。
防水タイプのスタッフバックを集めるのにも、少々値が張りますので、ビニール袋でも対応可能です。
まとめ
長い時間、大きなザックを背負って歩く登山では、パッキングはとても重要になってきます。ぜひ、パッキング術をマスターして快適で楽しい登山にしてください!