子供から大人にかけて楽しむことのできるクリスマス。しかしこのクリスマス、一体どういう意味でどんな形で始まったのかご存知でしょうか。今回はそんな、知っていそうで知らないクリスマスの意味や起源などについてご紹介します。
「クリスマス」の意味って?
クリスマスは英語で「Christmas」と書きますが、これは「Christ」と「mass」に分解できます。「Christ」はそのままキリストを指し、「mass」はミサというキリスト教の祭礼を表しています。なので「Christmass」は、「キリストの生誕祭」という意味になるのです。ちなみにクリスマスを「Xmas」と書く場合もありますが、このXはギリシャ語の「Xristos(キリスト)」の頭文字を指しています。たまに「X’mas」と書く人がいますが、これは誤りなので気をつけましょう。
いつから12月25日になったのか
さて、キリストの誕生日と言われる12月25日のクリスマスですが、実際にキリストが生まれた日は違うとされています。文献によって誕生日は3月や5月といったように諸説あるのですが、4世紀頃にこの生誕祭が12月25日に行われ、それが習慣化して残ったと言われています。
クリスマスツリーって何?
クリスマスに様々な飾り付けで彩られるクリスマスツリー。常緑樹であるモミの木は生命力の象徴とされている縁起物ですが、実際にクリスマスツリーを使うようになったのはドイツが起源とされています。もともとドイツにはモミの木に住む妖精が幸運を呼び込んでくれるという言い伝えがあり、新年や行事にはモミの木に様々な飾り付けをする文化がありました。クリスマスでもそうした習慣があり、そのことが当時の国王から世界に知られ、今に至ったと言われています。
サンタクロースってそもそも誰?
キリストの生誕祭であるクリスマスに欠かせない人物なのが、トナカイの引くソリに乗って子供達にプレゼントを届けるサンタクロース。そもそも彼は一体何者なのでしょうか。彼のモデルとしてよく知られているのが、4世紀頃に実在したと言われている司教、聖ニコラオスと言う人物です。無実の罪の人を救ったり様々な伝説が残されている彼ですが、イギリスなどヨーロッパではクリスマスとは別に、彼の命日を記念した聖ニコラオスの日が12月6日に存在します。
サンタクロースがプレゼントをくれる理由
そもそも、サンタクロースはなぜ子供達にプレゼントをくれるのでしょうか。そのきっかけとなるのが、聖ニコラオスのある出来事にあります。貧しさのために娘を身売りさせなくてはならなくなった一家がありました。聖ニコラオスは夜、その家のえんとつから金貨を投げ入れます。この金貨のおかげで、一家は娘を身売りさせずに済んだとされています。ちなみにこの時、金貨は偶然にも暖炉に下げられていた靴下の中に入りました。これが、サンタクロースが夜、プレゼントを靴下に入れてくれる話へと変わっていくのです。
サンタクロースとクリスマスの関係
ところで、サンタクロースとクリスマスには直接的な関係はないのに、なぜ12月25日にサンタクロースがプレゼントをくれるようになったのでしょう。このきっかけとなったのがアメリカと言われています。キリスト教には、キリストが生まれた時、賢者たちから贈り物を受けたというエピソードがあります。このエピソードと先ほどご紹介した聖ニコラオスの話が混ざり、今のサンタクロースの姿が生まれたというのです。
世界各国のクリスマス
世界各国のクリスマスを見てみるとその意味はほとんど変わらないのに、ちょっとした違いをチラホラと見ることができます。キリスト教の色濃いヨーロッパ、特にフランスでは子供がプレゼントをもらうのは1月6日です。ちなみに1月6日はキリストが復活した日であることを記念した公現祭です。また、イタリアの多くの地域では、ベファーナという名前の魔女がサンタクロースの代わりにプレゼントを持ってきてくれるというのです。
クリスマスの怖い意味
キリスト教徒にもそうでない人にも嬉しいイベントであるクリスマスですが、実はもっと怖い意味がある、という説があるのをご存知でしょうか。それは、クリスマスとは悪魔の休日を指す、というもの。そしてサンタはクランパスという、悪い子供を地獄へと連れ去る悪魔を連れてくるというのです。ヨーロッパ各国は陸続きで多民族間で様々な戦争があり、中には悪魔崇拝をしている民族もいました。長い歴史を通じて、こうした多様な文化が融合している様子はキリスト教の教えにも反映されています。まるで、人気小説の「ダヴィンチコード」のような話ですね。
クリスマスの意味には歴史が詰まっている
クリスマスの由来やその意味には、起源となっているヨーロッパの歴史がギッシリ詰まっています。1年の締め括りにあるイベントとして存分に楽しみつつ、こうやって様々な知識に触れてみるのはいかがでしょうか。