皆さんもテレビなどの中継でサッカーをプレーする場所を｢ピッチ」と呼んでいるのを聞いたことがあると思います。また、雨などが降った場合に｢グラウンドコンディションが悪い」等と｢グラウンド」という言葉を使うこともあります。
ではこの｢ピッチ」とはどこを表しているのでしょうか？｢グラウンド」と何が違うのか？今回は｢ピッチ」とは何か、｢グラウンドとの違いは何か」ということを調べてみました。
ピッチ=フィールド？
FIFAの公式サイトにはサッカーのプレーをする場所は｢field of play」とあり、｢pitch(ピッチ)」という言葉は使われていません。JFAのサイトでもフィールドが使われていますが、｢ピッチ=フィールド」であると解説されています。
｢ピッチ」とは？
｢ピッチ」という呼び方は主にイギリスで使われている呼び方です。元々は｢クリケット」というスポーツの競技場のことです。クリケットではプレーフィールドの中央に打たれた｢ウィケット」と言う杭で区切った長方形の部分をさして｢ピッチ」と呼んでいます。
イギリスでは初期のサッカーはちゃんとしたルールもなく、｢労働者階級の野蛮なスポーツ」と思われていました。ルールを決める際、広場に打ち込まれた４本の杭に区切られた中でやることになった時にクリケットに倣って区切られた部分を｢ピッチ」と呼ぶようになったのです。
今では｢4本の杭」はコーナーフラッグとなり、コーナーフラッグに囲まれた芝生の部分を｢ピッチ」と呼んでいます。では｢グラウンド」はというと、ピッチの外も含めたプレーする運動場全体をさしているのです。
なぜ｢ピッチ」と呼ぶの?
上記したように｢ピッチ」と言う言葉は公式では使われません。主にイギリスと元イギリス植民地で使われている言葉です。
なぜ英連邦でもない日本で｢ピッチ」という言葉を使われているのかというのははっきりしませんが、おそらくサッカーを日本に紹介したのがイギリス人だったと言うことが大きそうです。
公式ルールでは｢フィールド」と呼ばれているのにいまだに｢ピッチ」と呼ぶのは発祥の地イギリスに敬意をはらってのことだそうです。
いかがでしたか？サッカー競技場全体を指すのが｢グラウンド」、コーナーフラッグに区切られた内部が｢ピッチ」または｢フィールド」であると言うことがわかりました。
また、公式ルールでは｢フィールド」と呼ばれているので、国によっては｢ピッチ」という言葉が通じない可能性もありますので注意しましょう。
