アメリカンフットボールが他のスポーツと一番違う点は、攻撃側と守備側でポジション(役割や制限)が変わるということがあげられます。
アメリカンフットボールの試合の場合、フィールドに出られる選手は11人ですが、攻撃を行う選手たち(オフェンスチーム)と守備を行う選手たち(ディフェンスチーム)とキックやパントを行う選手たち(スペシャルチーム)の3つに分類されています。
ここでは、攻撃を行う選手(オフェンスチーム)のポジションと役割について解説していきます。
オフェンスチームの概要
オフェンスチームは大きくわけて、オフェンシブライン、クォーターバック、レシーバー、ランニングバックの4つに分けられます。
オフェンシブラインは、主に敵から味方を守る仕事、クォーターバックは司令塔、ランニングバックはランでボールを相手陣内へ運ぶ仕事、レシーバーはクォーターバックから出されたパスをキャッチする仕事をします。
各ポジションの名称
①オフェンシブライン
オフェンシブラインは通常5人で形成され、真ん中をセンター(C)、その両隣がガード(オフェンシブガード、OG)、その外側がタックル(オフェンシブタックル、OT)となります。
センターは、スナップ(セットされたボールをクォーターバックに渡す動作)を行いますが、それ以外は、この5人は基本的にボールに触れることができません。
②クォーターバック
クォーターバック(QB)はスナップされたボールをランニングバックへ渡したり、レシーバーへパスを投げたりします。また、状況に応じて、自分がボールを持ってランすることもあります。
③レシーバー
レシーバーは、サイドに大きく開いた位置から相手陣内へ走り込み、クォーターバックからのパスをキャッチするワイドレシーバー(WR)、オフェンシブライン上のOTの隣にセットし、パスレシーブも相手のブロックも行うタイトエンド(TE)、オフェンシブライン上のサイドに開いた位置にセットし、主にパスレシーブを行うスプリットエンド(SE)があります。
④ランニングバック
ランニングバックは、セットする位置によって名称が異なります。QBのすぐ後ろにセットするフルバック(FB)、TフォーメーションでFBの後ろにセットするハーフバック(HB)、IフォーメーションでFBの後ろにセットするテイルバック(TB)、タイトエンドの後方にセットするウィングバック(WB)があります。NFLなどではHBとTBをあわせてランニングバック(RB)と呼ぶ場合もあります。
各ポジションの役割
オフェンシブラインの5人は、相手をQBに近づけさせないようにブロックしたり、RBの走る道を切り開くためのリードブロックをすることが求められるため、強靭な肉体はもちろん高い身長や長い腕のほかにフットワークの良さも必要となります。
クォーターバックは、その名の通り司令塔としての素早い状況判断能力に加え、広い視野、正確なパス技術、フットワークの良さが求められます。
レシーバーは、もちろん確実にパスをキャッチする能力が必要不可欠ですが、現在のアメリカンフットボールでは、QBはレシーバー目掛けてパスを投げるのではなく、作戦指示にしたがって指示された場所へパスを投げるため、指示された場所へ正確に移動するためのフットワークと相手に競り勝つ高さも要求されます。
ランニングバックは、単純な足の速さではなく、加速性や俊敏性が求められます。また、相手からタックルを受けることも多いため、肉体的な強さも必要になります。
アメリカンフットボールは選手それぞれの特性を活かしたポジションがあります。自分にあったポジションを選んだり、ポジションの特性にあった練習をすることで、さらに活躍が期待できます。