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サッカーのリベロってなに?センターバックと何がちがうの?

90年代のサッカーにおいて、リベロ(イタリア語で自由な人)と呼ばれるポディションがありました。
70年代に西ドイツのベッケンバウアーと呼ばれる選手がこのポディションを生み出し、80年代を経て90年代に入るとリベロを担当する多くの名選手が表れましたが、2000年に入るとリベロは激減します。

今では馴染みの無いリベロというポディションの役割について紹介します。

リベロとは?

イタリア語で自由な人を表すリベロですが、現代サッカーのポディションに当てはめればセンターバックになります。
70年代のサッカーは、現在のように全員で攻撃して全員守備するという時代ではなく、攻撃する人と守備を担当する人があらかじめ決められており、守備を担当する人が攻撃に加わることはありませんでした。

しかし、西ドイツのベッケンバウアーは、元々攻撃的センスがある選手であったため、最後尾のセンターバックのポディションからパスを繋ぎ、攻撃に加わる、シュートまで打つという画期的なポディションを確立させます。

フォーメンションは?

ベッケンバウアーがリベロを確立させてから20年後。
90年代に入ると、世界のサッカーはセンターバックを3人として3バックの時代に突入します。

相手チームのフォワード2人に対して、2人のセンターバックがマンツーマンで対応して、センターバックひとりが余る形を取ります。
ひとり余ったセンターバックは守備時には最後尾に、攻撃時にはパスを繋いで攻撃に頻繁に参加するといった形が取られました。

ふたりのセンターバックは守備専門、ひとりのセンターバック(リベロ)は守備と攻撃を担当します。
リベロで有名なのはイタリアのフランコ・バレージ。ドイツのローター・マテウス、マティアス・ザマーという風にヨーロッパの選手が挙げられます。

どうしてリベロは消えていったのか?

90年代の3バックの守り方は、2人のディフェンダーがマンツーマンディフェンスで2人のフォワードを守るということを前提としていましたが、2000年代に入るとこのマンツーマンディフェンスを破ろうとするフォーメンションが現れ始めました。

それはフォワードが3人のフォーメンションです。
相手のセンターバック3人と同じ人数を並べることでリベロを余らせない、攻撃に参加させない方法です。

またマンツーマンディフェンスは、相手フォワードの動き方によって相当な体力が必要であり、意図的にゴール前から離れる戦術が取られるようになったため、センターバックでありながら自分のゴール前を離れるといったミスマッチも出るようになりました。

このため、センターバックを2人配置し、両サイドに1人ずつサイドバックを配置した4バックが復活します。
そして4人が自陣のゴール前に並び、自分の担当する守備範囲(ゾーン)に入ってきた相手選手を捕まえて守るやり方が広まっていきます。

これが、ゾーンディフェンスの基本となります。

まとめ

90年代に入って急速に広まったリベロというポディションですが、サッカーでは常にフォーメンションや戦術が進化するため、リベロを配置したチームはどんどん減っていきました。
4バックが効率であることはヨーロッパの現代サッカーのフォーマットを見れば一目瞭然です。

しかし、リベロというポディションですが、完全に無くなってしまったかというと、そうではありません。

ドイツのブンデスリーガにあるフランクフルトでは、2017~2018シーズンに長谷部選手がチームのリベロを担当しました。
そのチームにあったフォーメンションが3バックであり、リベロを高い次元でこなす選手がいれば、リベロというポディションは無くならないのです。

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