マラソンの距離は?と聞かれて「42.195km」と答えられる人は多いですが、何故42.195kmなのか?について答えられる人は少ないでしょう。今回はそんな42.195kmの秘密について迫ってみたいと思います。
急遽開かれたロンドンでのオリンピック
1908年のロンドンオリンピックはローマの火山噴火により、第4回のオリンピックは急遽ロンドンで行われることになりました。第7回までマラソン競技の距離は決まっておらず、第4回のマラソン競技は約40kmを予定していました。
王妃アレクサンドラの希望
約40kmを予定していたマラソン競技ですが、イギリス王妃アレクサンドラが「スタートは宮殿から見たい」「ゴールは競技場のボックス席の前」という注文を出したため、コースや距離が変更されました。この結果、42.195kmという距離が誕生したのです。
「ドランドの悲劇」で決定的に
同大会、イタリアのドランド・ピエトリはマラソンで1位でゴールしようとしていました。しかし、その年のイギリスは異常気象により大変暑く、王妃の気まぐれにより2kmも長いレース。ドランドは競技場に入ると倒れてしまいます。ドランドが倒れる度に係員が彼を起こして助け、よろよろになりながらも彼は1位でゴールしました。感動的なゴールでしたが、係員の助力でゴールをしたことにより失格となってしまいます。この逸話は「ドランドの悲劇」と呼ばれ、その後マラソンの距離が42.195kmになったことに影響を与えたと言われています。
マラソンの距離はイギリスで決まった
いかがでしたでしょうか。マラソンの正式な距離が42.195kmとされたのは後のパリ五輪からですが、このような印象的なエピソードが起源となっていたのですね。これからも42.195kmの闘いは様々なドラマを生み続けるでしょう。