日本発祥のスポーツである剣道。今では日本のみならず世界にも普及しており、世界大会が開かれるようにもなりました。では剣道の世界大会とはどのような大会なのか、大会の歴史、日本勢の強さなどの面から見ていきましょう。
日本人選手は圧倒的に強い
剣道が日本発祥のスポーツということもあり、日本はこの世界大会で圧倒的な強さを見せています。男子団体は1970年の第1回から12連覇、2006年大会で記録は途絶えたものの、その後は2015年大会まで再び連覇を記録。その他の男子個人、女子団体・個人は第1回から全て日本勢が優勝を勝ち取っています。
一部参加国のマナーの問題
今では40ヶ国前後の国が参加する世界大会ですが、それゆえマナーの問題もあります。特に問題となったのは2012年大会の韓国代表で、このときの選手は試合中の蹲踞(そんきょ・・立て膝になり腰を落とす姿勢のこと)の拒否、審判の命令を無視するなどの問題行動を繰り返しました。「礼に始まり礼に終わる」と言われるほど
マナーに厳しい剣道においてこの行動は到底許されるものでなく、韓国代表は世界中から非難を浴びることとなりました。
日本勢を脅かす存在はいるか
世界大会で圧倒的な強さを見せる日本代表ですが、その日本代表を脅かす存在も出てきています。特に脅威と言われるのは韓国代表で、2006年の団体戦では日本の連覇を止め優勝、それ以外では9回の準優勝も果たしています(そのときの優勝はいずれも日本)。その他にはブラジルやカナダ、アメリカといった国が準優勝を2回ずつ記録しており、実力面では少しずつ差が縮まってきていると言えます。
審判レベル向上のための対策
世界中から参加者が集まる世界大会では、審判の技量差が問題になることもあります。そこで国際剣道連盟では、審判員全員の参加を義務とする「世界剣道選手権大会審判講習会」を大会前に開催、全日本剣道連盟所属の日本人講師が指導を行っています。しかし試合中にジャッジを下すタイミングなど、細かい場面に対する指導は十分徹底されていないため、審判の技量差を埋めるには至っていません。
ブーイング、ヤジもあり
日本では静かに行われる剣道の試合ですが、世界大会ではそうではありません。試合中に納得いかない場面があれば容赦ないブーイング、ヤジが飛ぶこともあり、日本の試合とは明らかに雰囲気が違います。最近では2012年大会の韓国代表の振る舞いに不満を持った観客が、韓国代表に対してブーイングを浴びせたという例があります。
世界大会のレベルはまだまだ上げる必要あり
審判の技量差や一部参加国のマナーなど、幾つか問題はありますが、剣道が世界的なスポーツへと成長してきたことは確かです。世界大会のレベルを高めていくためには、こうした問題を解決していくことが絶対に欠かせません。次回の開催は2018年大会、それまでに問題がどこまで解決できるのか注目です。