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剣道の練習法【立ち切り編】

剣道は厳しい稽古が特徴ですが、その中でも最も厳しい稽古に立ち切りがあります。多くの剣客たちが鍛錬したといわれる立ち切り稽古について、ご紹介いたします。

立ち切り稽古とは

普段の稽古は元立ちが指導する立場となって、向かってくる練習生の掛かり手に技を教えます。しかし一人の元立ちに多くの掛かり手が向かって、元立ちを休む暇なく練習する特別稽古を立ち切り稽古といいます。一人対多数という場面を想定した稽古なので、剣士を目指す方はこの修行に励みました。1、2時間程度から一晩まで稽古を行います。実戦に近い限界状態まで追い込むため、掛かり手は禁じ手の突き技、足払い、体当たりなどを行うこともあります。幕末明治の道場では盛んに行われていたようです。特に山岡鉄舟の立ち切りは有名で、1日中続けることも普通に行われました。

警視庁の特別稽古

職業や伝統として剣道の本質を貴ぶ警視庁では、昔の伝統的な立ち切り稽古を今でも行っています。昭和の剣豪と呼ばれた高野佐三郎氏も辛い修行というほど、過酷なものでした。夜6時から朝6時まで警視庁で選抜された名士が特訓を受けますが、突き飛ばされたり引きずり回されたりしても我慢して耐えていたそうです。また警視庁の特別訓練でも体当たり稽古で吹き飛ばされ、壁に押されるまで突きや攻めの連続を受けます。怪我を通り越して精神の限界まで挑む特別稽古は、指導者として当たり前の訓練として今も続けられています。

剣客の境地

宮本武蔵の有名な対決に吉岡一門との戦いがあります。一人で大勢の敵と斬りあいながら、勝ちをおさめます。眠っても眠らず、隙がありそうで全く無く、神経を研ぎ澄ませて戦ってきました。荒々しくも極限まで鍛えられる立ち稽古は、剣客の境地かもしれません。

立ち切り稽古は大変な練習ですが、立ち切り試合も各地で盛んに行われています。興味のある方は観賞することを、おすすめします。

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