オブストラクションとは相手のプレーを妨害する反則のことです。
ボールを持っていない相手選手の動きを、手や体などで妨害する行為なのですが、いくつか具体例を挙げて説明しましょう。
オブストラクションの具体例①
敵味方両方がボールを追っている時に、いずれの選手もボールを持っていない相手選手を押したり掴んだりぶつかったりしてはいけません。
味方がボールを持っている(ボールキャリアー)場合、故意にその前方を横切ったり立ち塞がったりして、相手側の選手がボールキャリアーへタックルに行くのを妨害してはいけません。
相手側にペナルティキックが与えられてしまいます。
オブストラクションの具体例②
スクラムでボールが出た時に、相手スクラムハーフがスクラム後方に回って来るのを、フランカーが足を出すなどして妨害してはいけません。
相手側にペナルティキックが与えられてしまいます。
オブストラクションの具体例③
ラインアウトでボールキャッチャーが着地した時、キャッチャーより前に味方の選手がいてはいけません。
相手側に15メートルライン(※1)上からのペナルティキックが与えられます。
オブストラクションの具体例
スクラム、ラック、モールやラインアウトから出たボールを持った選手は、前方の味方の選手の中に走り込んではいけません。
味方同士が重なって、相手側のディフェンスを妨げてはいけません。
相手側にペナルティキックが与えられてしまいます。
このようにボールを持っていない相手選手に対して、そのプレーを妨げる行為は反則になります。
しかしボールを持っている選手はどんな状況であろうと妨害として反則を取られることはありません。ですのでボールキャリアーはタックラーに対してハンドオフ(※2)が使えるのでしょう。
※1)15メートルライン:タッチラインから並行に、15メートル内側に引かれた破線
※2)ハンドオフ:ボールを持った選手が、タックルに来た選手を押したり突き放したりすること