サッカーと違い、フットサルには狭いコートならではの戦術があります。
その中から、基本的な戦術をご紹介しましょう。
ピヴォ当て
ピヴォ当てとは言葉の通りパスを前線のピヴォに当て(出して)、キープしている間に味方の上がりを待って、その選手にパスを出す。あるいはピヴォ自らシュートを打つ戦術のことです。
この場合、ピヴォは前線の高い位置でボールを受けることが効果的な攻撃に繋がります。ゴール前や両サイドの高い位置でボールを受けることができれば、相手ディフェンスに対してプレッシャーを与えることができます。
またディフェンスの方もピヴォ当てには充分警戒しているでしょうから、簡単にパスを通させないように激しく寄せてくるでしょう。
それを躱す(かわす)にはピヴォの動き直しやフェイクを入れた動きなども必要になって来ます。
※ピヴォとはポルトガル語で先端を意味し、前線にポジションを取る選手のことで、味方からのパスを受けてポストプレーをしたりシュートを打ったりする攻撃の起点となるのが役目です。
エイト
エイトとは戦術的なパス回しのことです。
フットサルに於いて基本中の基本戦術で、文字通り8の字を描くように動きながらパスを回します。
相手ディフェンスのプレスやマークがきつく、パスが回らなかったり通らなかったりする場合に、このエイトの動きをしながらスペースを探したり、マークをずらしたりしてパスコースを作ってピヴォ当てを狙ったりしながら、徐々にゴール前に押し上げて行きます。
この戦術のポイントは、最終ラインを選手ひとりにしないことです。必ずフォローに行って孤立しないようにボールを受ける動きをしましょう。
そしてもうひとつは、パスを出したら前線に抜ける動きをすることです。
パスを出した後そのままの位置にいると、ボールを受けた方はパス出しのコースが限定され、ディフェンスがそのコースを潰しに来るからです。パスを出したら常に抜ける動きをして、パスコースを作ることが大事です。
パラレラ
パラレラとはポルトガル語で平行を意味します。つまりサイドラインと平行にパスを受ける、サッカーでいうところの縦パスのことです。
一旦サイドの味方にパスを出してから動き出し、ディフェンスの裏でリターンを貰うことを狙った戦術です。
ポイントとしてはパスを出した後の上がりを工夫すること。最初はゆっくりと動いてディフェンスを油断させてからスピードを上げるなど、相手を欺く動きが必要です。
またリターンパスの出し手も受けてとのタイミングを合せることが肝要です。
ジャグナウ
ジャグナウとはポルトガル語で斜めを意味します。
パラレラではサイドの味方にパスを出した後、縦に抜ける動きをしますが、ジャグナウではパスを出したサイドとは逆方向へ斜めに動き出します。逆サイドへ抜けた位置でパスを貰いシュートを狙う、あるいは詰めて来た味方に落してシュートさせるなどします。
ポイントは、パス出ししてからの動きです。正直に斜めに走り出さず、始めはパラレラ狙いの動きをしてディフェンスをかく乱するなど、フェイクを入れた動きが大事です。
これらはチーム戦術の基本です。繰り返し練習して、マスターできるようにパスの出し手と受け手の意思の疎通を心掛けましょう。