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高尾山に伝わる天狗伝説

高尾山の天狗様は、飯縄大権現様の眷属として、除災開運、災厄消除、招福万来など、衆生救済の利益を施す力を持ち、古来より神通力をもつとされ、多くの天狗伝説や天狗信仰があり、神格化されています。薬王院飯縄権現堂前には、右側に鼻の高い大天狗、そして左側には烏の嘴を持った烏天狗の小天狗の像が立っています。このように、高尾山は天狗の住む山で、数々の天狗の伝説が残っています。そのうちいくつかを紹介します。

たこ杉

高尾山が開山されたころは、参道もまだ険しい山道でした。そこで高尾の天狗達が集まり、相談の結果、道普請を始めました。しかし、もうすぐ薬王院というところで一本杉と呼ばれる大きな杉が、四方に根を広げて、道に居座っていたました。天狗達は困り「我らの神通力とてこれは無理。明日は、あの杉を切り倒して進むことにしようではないか」と結論が出ました。天狗様達の相談話を聞いた一本杉は、道のじゃまにならぬように大きな根をどかしたそうです。その動く姿が「たこ」のようだったとか。おかげで参道は、見事に完成したそうです。それ以来このたこ杉は「道を開く」ということから開運のご利益があるといわれています。

天狗の度胸試し

高尾山は、昔は電灯も常夜灯もありませんから、夜は漆黒の闇でした。おまけに夜中には天狗様が闊歩しているというので、夜の高尾山に登っていくような度胸のある者はいませんでした。ところが、「俺は度胸があるぞ、天狗なんているものか」という男がいて、わざわざ夜中に山に登っていったそうです。ところが、参道を登り始めると、なんと道の真ん中に大木が何本も伐りだされていて、この男の行く手を阻んでいるではありませんか、男はしかたなく引き返すことにしました。しかし、その話を聞いた近所の衆は、その男と共に、翌朝、その場所までやってきてみると大木どころか小枝すらなかったのです。どうやら、高尾の天狗様が、この高慢ちきな男の天狗になった鼻をへし折ったようだ。天狗様だけあって、鼻高々の男は許せなかったのでしょう。

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